不動産投資でセミリタイアすることは可能か!?

セミリタイア

不動産投資をする目的は人によって様々です。将来の年金代わりに始める人、相続税対策で始める人、お小遣い程度に稼げればいいと考えて始める人、そしてセミリタイア目的で始める人。今回はセミリタイア目的で不動産投資をすることについて、本当に不動産投資でセミリタイアが可能なのか考えていきたいと思います。

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セミリタイアの可否

セミリタイアを、会社を退職し不労所得だけで生活している状態とここでは定義したいと思います。

不労所得がいくらあれば生活できるかは家族構成や生活レベルによって異なるため一概には言えませんが、税引後のキャッシュ・フロー(手取り収入)で月間50万円を基準としましょう。年間だと600万円のキャッシュ・フローということですね。税引後の数字なので、サラリーマンだとだいたい年収800万円と同等と考えて頂ければ大丈夫です。

では、不動産投資(不動産賃貸業・大家)でセミリタイアは可能なのでしょうか?結論から言いましょう。

不動産投資でセミリタイアは可能です!

ただし、簡単ではありません。これから、セミリタイアが簡単ではない理由を説明していきたいと思います。

そもそも不動産投資はどのくらい儲かるのか?

そもそも不動産投資はどのくらい儲かると思いますか?もし1億円の不動産を買ったとして年間いくら儲かるでしょう。元々資産家の人は別として、1億円の不動産を買う場合は銀行から融資を受けると思いますので、その前提で考えて見て下さい。

実は、不動産投資はそんなに儲かりません。私の経験上、税引後のキャッシュ・フローは1〜3%の間におさまっていると思います。つまり、1億円の不動産を持っていても、年間100〜300万円程度しか儲かりません。借金してまで事業をやっているのに、キャッシュ・フローはたいしたことないのです。

税引後のキャッシュ・フローが3%以上ある人は全体から見るとかなり少なく、不動産投資家が自らDIYや自主管理などで費用削減を徹底させている場合か、または不動産についての知識・経験があり、誰も買わないようなボロボロの物件を買って再生させている人ぐらいでしょう。サラリーマンが融資を受けて普通に不動産投資をすると、3%を超えることはないと思った方がよいです。

では、1〜3%の平均をとってキャッシュ・フローを2%と仮定しましょう。

年間600万円が目標なので、投資額が3億円あればセミリタイアが可能となりますが、3億円という規模での投資は可能なのでしょうか?

投資規模を3億円まで拡大することは可能か?

では、不動産投資で3億円の規模まで拡大させることは可能でしょうか?

これは、その人の属性、現在の貯金総額、そして何年で達成させたいかによっても異なります。もし、15年で3億円を達成すればよいと考えるのであれば実は誰でも可能です。10年と言いたいところですが、全く貯金がなく、属性も低い場合には、最初に準備期間が必要なので15年としました。

不動産投資といっても、様々な投資法がありますので、戦略的に買い進めることで規模を拡大させることが可能です。

もし短期間でセミリタイアを目指す場合には、取れる戦略が限られ、属性が良い人か貯金がある人に限られるでしょう。

私の場合は、3億円という資産規模に達するのに、一棟目を買ってから1年8ヶ月で到達しました。早く感じるかもしれませんが、私より早い人はいくらでもいます。念のため。そのときは一部上場企業に勤めていて比較的属性が良かったということもありますが、優秀な不動産売買業者の方と出会えたことも大きいです。私自身もかなり勉強しましたが、自分自身の力だけではここまでうまくいかなかったでしょう。

ちなみに私がそうだったように、サラリーマンをやりながら不動産投資を副業として行う「サラリーマン大家」は融資上かなり有利です。詳細はこちらの記事が参考になります。

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セミリタイアの落とし穴

ここまで3億円でセミリタイアが可能であるように長々と説明してきましたが、実際は年間600万円のキャッシュ・フローでセミリタイアすると落とし穴にハマるでしょう。ここが今回の肝です。

大規模修繕

年間600万円のキャッシュ・フローは、ほとんど生活費に消えてなくなります。したがって、余剰資金が生まれません。建物は10〜15年程度で大規模修繕が必要となりますが、この大規模修繕費用を支払う原資が貯まらないのです。経年劣化で水漏れが起きたときなど、数百万円かかるこもあります。つまり、年間600万円でセミリタイアは無理なのです。

資産の組み換え

建物は経年劣化によりどんどん老朽化していきます。家賃も徐々に下がっていきますし、古くなれば入居付けも難しくなっていきます。そこで考えていきたいのは、新たに築浅の物件を買い、元々持っていた築古の物件を売って資産の組み換えを行っていくことです。

しかし、資産の組み換えを行う場合にも、ある程度資金は必要です。残債以上で売却できればいいですが、確実とも言えません。

規模拡大

セミリタイアできる規模になったとしても余裕があるわけではありません。セミリタイア後も規模拡大していくのが普通だと思います。規模拡大しようと思うと、オーバーローンでもない限り自己資金を使うことになりますが、年間600万円程度だと次の物件を買うための自己資金が貯まりません。

空室リスク

うまく事業が回っていて年間600万円なので、一気に空室が発生した場合などは生活ができなくなります。ある程度の余裕は必要です。

まとめ。結局いくら必要なの?

以上から、年間600万円の税引後キャッシュ・フローではセミリタイアすることができないことがわかって頂けると思います。セミリタイアしてもすぐにサラリーマンに戻ることになるでしょう(実際そういう人も多いそうです)。

では、いくらあればセミリタイアしてもいいのでしょうか?

絶対的な基準はありませんが、セミリタイアするのであれば、どんなに少なくても倍の年間1200万円(月100万円)のキャッシュ・フローがあった方が良いでしょう。600万円は生活費に使って、残りの600万円は貯金するイメージです。毎年600万円貯金していけば、さらなる規模拡大も十分可能なレベルではないでしょうか?

1200万円というと、上記の基準では6億円の投資規模が必要です。簡単ではないことがおわかり頂けると思います。しかしながら、現実として不動産投資でセミリタイアしている方は多数いらっしゃいます。簡単ではないけど、可能は可能です。

セミリタイア目的で不動産投資を始めるのであれば、億単位で銀行から融資を受けてお金を動かしていくのが普通です。その覚悟を持てるかどうかが人生の分かれ目になります。決して楽な道ではありませんが、セミリタイアすることにそれ以上の価値があると思った人は挑戦してみて下さい!

最後に余談ではありますが、不動産所得は実際は不労所得ではありません。まさに経営ですので、「不労」とは性質が違うように思います。仮に専業の不動産投資家になれたとしても、セミリタイアと言っていいかは微妙ですね。サラリーマンよりは楽だと思いますが・・。

不労所得についてはこちらの記事で書きました!

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頑張って一緒に不動産投資で成功しましょう!!

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