サンクコスト(埋没費用)から考える勇気ある撤退の5つの事例

もったいない

「ここまで頑張ったのに今さらやめるのはもったいない!」という状況になったことがありませんか?経済学や経営学ではこういった心理をサンクコスト効果と呼びます。生活の至るところにあるサンクコスト効果の具体的な事例と、これに対抗するための勇気ある撤退の話をご紹介したいと思います。「もったいない」より「合理的な選択」を!!

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サンクコスト(埋没費用)と勇気ある撤退

サンクコスト(埋没費用)という言葉をご存じでしょうか?Wikipediaではサンクコスト(埋没費用)を下記のように表現しています。

(Wikipediaより)

埋没費用(まいぼつひよう)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力をいう。サンク・コスト (sunk cost) ともいう。

簡単に言うと、サンクコスト(埋没費用)とは、取り戻すことができないコスト(時間、お金、労力)のことを指します。

サンクコストの説明としてよく扱われるのが、下記の「つまらない映画」の例です。

例:映画館でつまらない映画を見続けるべきか?

映画館で1,800円を支払って映画を見始めたが、開始30分でこの映画がつまらないことに気付きました。この映画は2時間上映されます。このまま映画を見続けるべきか、それとも映画館から途中退出すべきか。どちらが合理的な選択でしょうか?

注目すべきポイントは、既に映画代1,800円を支払っており、30分という時間も既に費やしてしまっていることです。この映画代1,800円と時間30分はどうやっても取り戻すことができないコスト(=サンクコスト)です。合理的に考えるのであれば、このサンクコストは無視し、今すぐ映画館を出て残りの1時間30分を有意義に過ごすべきです。

しかし、実際は「映画代1,800円は既に支払っているし、途中まで観ちゃったし、なんとかして元を取らなければ」と考えてしまう人が多いのです。こういう既に投下したコスト(時間、お金、労力)があることでもったいないと感じてしまう心理をサンクコスト効果とも呼んだりします。

このサンクコスト効果に対抗するには、勇気ある撤退が必要だと私は考えます。勇気をもってもったいない怪獣から逃げきりましょう!!

サンクコスト効果と勇気ある撤退の5つの事例

もったいない怪獣であるサンクコスト効果は、生活の至るところに存在しています。これからサンクコスト効果の事例を5つご紹介しますが、「これもサンクコスト効果の一つだったのか!」、と気づくこともあるかもしれません。勇気ある撤退で対抗していきましょう。もったいない怪獣は足が遅いので、逃げ切ることは簡単です!

事例(投資編)

サンクコスト効果として、まずは株式投資の事例を紹介します!

兼ねてより将来有望だと考えていたA社の株式(100円)を買いました。このA社の株式は予想どおりグングンと株価を上げていきます。ついに株価は120円まで上がりました!これは笑いが止まりませんね〜。しかし、一年後悲劇が起きるのです。A社の社長が詐欺容疑で捕まってしまったのです!A社の社長はカリスマ経営者であり、彼なくしてA社の成長は見込めません・・。A社の株価は反転。株価は80円まで急落してしまいました。

ここでもったいない怪獣であるサンクコスト効果がやってきます。ドシドシと地響きを上げながら。「今は損が出てるけど、株価は120円まで一度上がったやろ?儲けは出なくても、せめて買ったときと同じ100円で売却したいわな。一年もこの株を持っていたんやし。まぁ、100円ぐらいまでやったら上がるやろ?」。一理あると思い、A社の株を手放しませんでした。しかし、いくら待ってもA社の株価は上がりません。それどころか株価はさらに下げていくだけだったのです。ますますA社の株を手放せなくなってしまいました・・。

合理的な選択をするのなら、社長が捕まってA社の株価が下がった時点で損切り(=勇気ある撤退)をするべきでした。損切りして、別の有望株であるB社の株を買った方が良かったはずです。損が出ていること自体はサンクコストであり、これまでの経緯は考えてはいけなかったのです。

事例(ギャンブル編)

次の事例はパチンコです。

朝から並んでいつも通っているパチンコ店に入りました。昨日は大勝ちしたので今日もきっと勝てるだろうと自信満々です。昨日と同じ台に座りパチンコを始めますが、買ったり負けたりの繰り返しでなかなか増えません。しかし、徐々に流れは悪い方に。夕方になる頃には、大負け状態になってしまいました・・。

そして、もったいない怪獣は今度もやってきて言いました。「朝から並んで一日中時間を使うたのに、大負けのまま帰ってええの?」あなたは首を大きく振ります。「このままスゴスゴと帰ってたまるか!!」そんな熱い心とは裏腹に、財布はドンドンと軽くなっていくのでした・・。

ここでも勇気ある撤退が必要でした。流れは最悪なのでそのままやり続けても傷が増えるだけです。一日時間を使ってしまったことも、大負けしたこともサンクコストでしかありません。過去に投下したコストは判断の材料にしてはいけないのです!

事例(資格編)

今度は公認会計士受験生のお話です。

公認会計士になるべく猛勉強しているC君ですが、なかなか試験に合格できません。受験1回目のときは大学生だったC君ももう30歳。社会人経験もありません。無職なので親から仕送りを受けて生活をしています。

ここでももったいない怪獣はやってきていいます。「公認会計士の勉強を始めてもう10年やで。今さら就活しても、ロクなとこに就職でけへん。いいところまで来てるわけやし、来年は受かるやろ?」C君も納得し受験を続けましたが、35歳になった今でも受かっていません・・。

どんなに努力しても叶わない夢はあります。向き不向きなのかはわかりませんが、期限を決めてダメだったらあきらめる(=勇気ある撤退)ことも必要です。資格だけで人生は決まりません。受験で学んだ専門知識は今後も使えるわけです。その知識を就職活動でアピールして経理部などで働くのもアリでしょう!

事例(経営編)

次は、経営(会社)編です。

D社は家電の中でも特にテレビの製造メーカーとして繁栄してきた大企業です。テレビの性能は業界内でもピカイチ!しかし、悲しいかな。時代は変わりました。テレビが売れなくなってきたのです。スマートフォンでYou Tubeを見ればいいと考える人が増えてきたからでしょうか?理由がどうあれ、テレビが売れません。そこでD社は、スマートフォンを自社開発し新市場に参入することにしました。これが世界中で爆発的に大ヒット!D社はスマートフォン開発メーカーとしての名声を欲しいままにするのです。しかし、D社は落ち目であるテレビ開発事業からいつまでも撤退できず、スマートフォンで儲けた利益を食い潰してしまうのです・・。

後で聞いた話ですが、もったいない怪獣はこのときも言っていたそうです。「今まであんさんがやってこれたのはテレビのおかげやろ?それをやめるなんて考えられへんわ。創業者も泣いとるで!」と。

時代は常に変化していっているのに、自分がそのままだと取り残されるだけです。ここでも勇気ある撤退をするべきでした。

ちなみに、変化することの重要さはこの記事が参考になります!

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事例(恋愛編)

最後に恋愛編です。

EさんはG男と付き合って早8年。20代はほとんどG男と過ごしました。Eさんは30歳になったのでそろそろ結婚でもと考えています。しかし、G男にはある問題があります。G男は浪費家で貯金がないどころか、消費者金融で100万単位の借金があるのです!これでは結婚どころじゃありません。

もったいない怪獣はここぞとばかり出てきて言いました。「華の20代をG男に捧げたわけやん?それに、G男への毎年の誕生日プレゼント代も馬鹿にならへんで。G男と別れても次の彼氏ができるかもわからへん。G男の浪費癖がなくなる可能性もあるわけやしもったいないで!」。Eさんは、ズルズルとG男と付き合い続けてしまいます。数年後もG男の浪費癖が直らなかったのは言うまでもありません・・。

好きという気持ちだけではうまくいかないこともあるのが大人の恋愛です。勇気ある撤退も必要なときはあります。これまでの労力は無視して、これからのことだけ考えましょう!!

最後に

事例を長々と5つ書きましたが、言いたいことはすべて同じです。サンクコストという概念を覚えてもったいない怪獣から逃げ切りましょう。長い人生の中では勇気ある撤退が必要なときもきっとありますよ!!

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