法定耐用年数オーバーの融資を受けるメリット・デメリット

ご注意下さい!銀行から「法定耐用年数以上の融資期間で融資OKですよ!」と言われたらどうしますか?実際、そういう銀行も増えてきています。でも待って下さい。法定耐用年数オーバーの融資には意外な落とし穴があるのです・・。

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法定耐用年数オーバーの融資を受けれるか?

融資条件は銀行によって様々です。

例えば、融資期間は法定耐用年数ー築年数がMAXという銀行が多いです。つまり、RC造で築20年の物件であれば、47年ー20年=27年が最大の融資期間となります。

しかし、金融緩和の影響からか、法定耐用年数オーバーで融資を受けれる銀行が増えてきました。当然銀行としては貸倒リスクが増大するため、高金利の銀行にその傾向が多いです。

不動産投資において融資期間の長短は超重要事項なため、この状況は大いに歓迎すべきことではあるのですが、この法定耐用年数オーバーの融資は、使い方が悪いと諸刃の剣となる可能性があります。

もちろんメリットもあるので、総合的な判断を下す必要があるのはもちろんですが、初心者が安易に飛びつかないためにもメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。

法定耐用年数オーバーの融資を受けるメリット

まずはメリットから!

キャッシュ・フローが増加する

法定耐用年数オーバーで融資を受ける最大のメリットはキャッシュ・フローが増加することです。というか、これ以外メリットがありません(笑)

短い融資期間ではキャッシュ・フローが出ない物件も、法定耐用年数オーバーの長い融資期間で融資を受ければキャッシュ・フローが出るのです。特に最近の物件価格の高騰により、築浅の物件では利回りが低過ぎるため、築古物件+法定耐用年数オーバーの融資のセットで物件を購入する方も多いです。

キャッシュ・フローを出すことが不動産投資においては重要なので、これも間違いではありませんが、キャッシュ・フローを得るかわりに失っているものもあります。次にデメリットを見てみましょう。

法定耐用年数オーバーの融資を受けるデメリット

法定耐用年数オーバーの融資を受けるデメリットは何だと思いますか?

金利支払総額の増加

当然ですが、融資期間が長いと金利の支払総額が増加します。

例えば、融資金額1億円、金利4.5%、元利均等返済の場合、融資期間が20年だと金利総額は51,835,719円ですが、融資期間が30年だと82,406,484円に増加します。その差は3千万円です。

1億円の融資で、3千万円の利息の差。これを高いと見るか、低いと見るか・・。考えるまでもないですね。

ただし、金利が低ければその差は縮みます。

そこで、金利が高い場合は融資期間を短くし、金利が低い場合は融資期間を長くすればいいと考えることもできますが、金利が低いところほど融資期間が短くなりがちです。

もちろん、金利交渉や借り換えにより金利を低下させることは可能ですので、高金利で借りている人は金利交渉や借り換えを積極的に狙っていくことが重要となっています。

債務超過(積算評価<残債)になりやすい

銀行は融資の審査上、物件の積算評価を算出し、積算評価額<残債(融資残高)の場合は債務超過とみなします。債務超過、つまり資産よりも負債の金額が大きいと、物件を処分しても借入金を返済できないと判断され、リスクがある貸出先とみなされてしまいます。そのため、追加で融資を受ける際に不利となるわけです。

そして、法定耐用年数オーバーで融資を受けると残債がなかなか減りません。対して、積算評価額(土地評価額+建物評価額)のうち、建物評価額部分は法定耐用年数が経過するまで段々と下がっていきます。

法定耐用年数内の融資では、積算評価額の減少幅<残債の減少幅となりますが、法定耐用年数超の融資では積算評価額の減少幅>残債の減少幅となってしまう場合があります。

後者の場合、時間の経過とともに債務超過が拡大していく恐ろしい状況です。物件購入時は債務超過になっていなくても、5年経過後には債務超過となっているかもしれません。

物件購入前に必ず試算しておきましょう。

売却額<残債で売却不可能となるリスクがある

法定耐用年数オーバーで融資を受けると残債の減少幅が小さいため、残債以上の価格で物件を売却できない可能性が出てきます。

物件の売却価額は築年数が経過すればするほど減少していくのが通常ですが、そのスピードより残債が減少していくスピードが遅いと残債以上の売却が困難となっていくわけです。

もちろん、物件の売却価額は市況の影響を大きく受けますので、市況が今より良くなれば残債以上で売却できる可能性が出てきますが、将来のことは誰にもわかりません。売却価額と残債の関係も意識しておいた方がよいでしょう。

収益性の試算でマイナス評価される(一部の金融機関のみ)

保有物件で法定耐用年数オーバーの融資を受けている場合、法定耐用年数経過後の収益性をゼロまたは大幅に減少させて評価される場合があります。この場合も信用毀損の状況となり、属性が悪くなるので融資審査上不利となってしまいます。

※2016年10月現在では一部の金融機関のみ上記に該当します。金融緩和の影響で他行で法定耐用年数オーバーの融資を受けていても気にしない銀行が今は多いようです。一部の金融機関だけの話ですので、該当する銀行からは融資を受けないという方針に決めてしまうのも一つの考え方ですね。

デッドクロスの恐怖

不動産投資初心者が後で痛い目に合いやすいのが、このデッドクロスです。初めて物件を買うときからデッドクロスを意識して買う人は少ないと思います。

法定耐用年数オーバーで融資を受けていると、ほとんどの場合でデッドクロスとなります。デッドクロスが将来発生することがわかった人は必ず対策を検討しておきましょう。

詳しくは、下記の記事をご参照下さい。

デッドクロスで黒字倒産!?不動産投資に巣食う悪魔の正体とは

まとめ

法定耐用年数オーバーの融資で得られるものはキャッシュ・フローです。投資初期のステージではこのキャッシュ・フローを重視して、敢えて法定耐用年数オーバーで融資を受けるのも一つのやり方です(法定耐用年数内に抑えるに越したことはありませんが)。

その場合も、キャッシュ・フローが潤沢になってきたら法定耐用年数内の融資方針に切り替えることをおすすめします。

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