富士山登山!!最強の敵、高山病との因縁の戦いの行方は!?

富士山ご来光

2016年7月30日〜8月1日に富士山登山に挑戦してきました!実は2度目の挑戦で、前回は八合目で高山病にかかりリタイアしたという苦い思い出があります。果たして今回はリベンジできたのかっ!?

スポンサーリンク
レクタングル(大)

Contents

富士山登山について

富士山の概要

日本一高い富士山は標高3,776.12m。2013年に世界遺産に登録され、毎年多くの観光客で賑わう観光スポットになっています。登山客も多いですが、富士山五合目(標高約2,300m)へ登山せずに雰囲気だけ味わいに来る観光客もたくさんいます。海外からのお客様も多く、日本人よりも外国人の方が多い印象を受けました。富士山登山ツアーで登る人もいますが、私のように亀のようにゆっくり登る場合はツアーを利用しない方が気が楽だと思います。

富士山吉田口ルートの地図

富士山 地図

初心者のための登山とキャンプ入門より)

富士山の標高は3,776.12mありますが、通常は五合目(標高約2,300m)から登るのが一般的で、実際に登るのは1,500m弱となります。それでも普段運動をしていない人からすると結構な高低差であり、しっかり準備して臨みたいところです。

また、途中の山小屋に宿泊せず弾丸で一気に登る人もいますが、よほど体力に自信がある場合以外は1泊2日の旅程が無難だと思います。1泊2日でご来光を見ようとすると下記のプランになるでしょう。

1日目:朝、富士山に到着 ⇒ 夕方までに七合目〜八合目の山小屋に到着。

2日目:深夜、山小屋を出発し午前4時過ぎのご来光を見る ⇒ お昼ごろ、五合目まで戻ってくる。

高山病対策

しかし、富士山登山に必要なのは体力だけではありません!気力でもありません(これも大事だけど・・。)

一番重要なのは高山病対策です!

私の場合、今回が2度目の富士山登山でしたが、前回は八合目でリタイア。原因は高山病でした。酸素が薄いことで、頭痛や吐き気に襲われ、泣く泣く登頂をあきらめた苦い過去があります。体力的には余裕があっただけに余計心残りで・・。それで、今回富士山登山へリベンジすることになったのです。

高山病は体質によってかかりやすい、かかりにくいがあるようです。私は完全に高山病にかかりやすい体質と言えます。というのも、前回の富士山以外にハワイ島のマウナケア(標高4,205m)の山頂に行ったときにも高山病にかかり、ひどい吐き気や頭痛に悩まされました。そのときは、もう高山には絶対に行かないと心に固く誓ったものですが、人間忘れやすい生き物でして、懲りずに2度目の富士山登山となりました・・。

高山病対策には色々と方法があります。私が試したのは以下の様な方法でした。

①深呼吸

⇒空気が薄いので、深呼吸によりたくさんの酸素を身体に取り込む必要があります。私は五合目に着いてからは深呼吸を徹底させました。コツは、吸うことよりも吐くことを意識することです。ゆっくり最後まで吐くと、反動(?)で自然と多くの酸素を吸うことになります。これは絶対に必要な対策です。

②身体を慣らす

⇒五合目に着いてすぐに登山を開始してしまうと高山病にかかりやすくなります。五合目に着いたら、1〜2時間身体を慣らしましょう。また、登山中高山病の症状が出始めたら無理せず、休憩することが大事です。

私は今回は絶対に山頂まで行きたかったので、身体を慣らすことを徹底させました。具体的には以下のプランを考えました。

1日目:夕方、富士山五合目に到着。そのまま五合目で1泊し、高山の環境に身体を慣らす。

2日目:朝、五合目を出発し、昼過ぎに七合目の山小屋に到着 ⇒ 22時まで就寝。十分な睡眠時間を確保し、山頂に向けて出発。

3日目:午前4時過ぎのご来光を見る ⇒ お昼ごろ、五合目まで戻ってくる。

いくら高山病にかかりやすい体質でも、2泊3日でゆっくり身体を慣らせるこのプランならイケると考えました(笑)

③高山病対策グッズを揃える

⇒上記の①と②だけでは心配だったので、高山病対策グッズを色々と揃えて行きました。

富士山登山では必須の酸素スプレーです。山小屋でも買えますが、5Lの酸素スプレーで1,500円近くするので、事前に買っておいた方がベターです。私の場合、夫婦で3本(合計30L)を使いきりましたが、高山耐性がある人はここまでの量はいらないでしょう。ただ、効果は確実にあります。

富士山登山の感想

富士山1

高速バスで東京から富士山5合目(標高約2,300m)までやってきたところからこの物語を始めます。現在7月31日16時頃。気温は15〜20℃程度でしょうか?真夏なのに寒いです。今回も前回と同様、人気の吉田口ルートを登ります。

富士山2

天気は良好。5合目から富士山頂上もくっきり見えますね。雪がないので「これが富士山!?」という感じですが、これから頂上まで登れるか不安になるほどの距離を感じます。

富士山3

今回は高山病対策で空気の薄さに身体を慣らすため、まず5合目で1泊しました。宿泊先は右側の建物の「富士山みはらし」です。

富士山4

このホテルを選んだ理由、それは個室があるから(笑)高山病対策として睡眠の質も大事ですからね。だいたい6畳程度はありそうな個室に宿泊させて頂きました。料金は素泊まりで18,000円。夫婦で泊まったので一人9,000円でした。

富士山5

個室の窓から観た富士山でございます。外では、これから登山に出発するであろうツアー客の「いくぞ〜!!おぉ〜!!」みたいな掛け声が聞こえてきます。

富士山6

「富士山みはらし」には大広間で寝ることもできます。参考までにパシャリ。七合目や八合目にある山小屋と比べると広々としていました。

富士山7

宿泊先の2階にはレストランがあります。夕食は定番のカレー!!値段は1,000円程度です。

富士山8

夕食後に外に出てみると、夕日が・・。

富士山9

神々しさすら感じます。5合目までこの夕日を見に来るだけでも価値がありそうですね。

富士山10

富士山名物の「こけもも」ソフトクリーム。こけももは高山で採れるベリーのような食べ物です。少し酸味がありました。

コケモモ

↑ こけももです。

富士山13

そして、次の日の朝。朝8時にチェックアウトし、2階のレストランで朝ご飯を食べたり、ストレッチなどをして9時に出発しました。

馬がいますね。富士山には馬がいて、登山中にバテて動けなくなったときは馬に乗って帰ってこれます。安心ですね!でも、お金はいくらかかるんだろう?

富士山15

出発直後の光景です。2日続けて天気も良くラッキー。普段コンクリートジャングルで生活しているせいか、自然溢れる景色に癒やされます。

富士山16

遠くに山中湖が見えます。

富士山17

こちらはわかりづいらですが、左奥に河口湖が見えています。

富士山18

しばらく進むと六合目(標高2,390m)に到着しました。ここまでは平坦な道が多いのであっという間に着きました。

富士山19

天気予報!!

富士山20

トイレがあるので、休憩している方も多いです。ちなみに登りは至るところに山小屋があるのでトイレに困ることはないでしょう。有料(だいたい200円)の場合が多いですが、場所柄しょうがないと思います。

富士山21

頂上へ向けて写真をパシャリ。ここから本格的な上り坂がスタートします。

富士山22

持参してきたポテトチップス。気圧が低い関係でパンパンに膨れてました(笑)

富士山23

果てしなき旅。

富士山24

最初の山小屋である花小屋へ到着!上の方に山小屋がたくさん。

富士山25

犬がいました(笑)

富士山26

お腹が減ってカップラーメンを食べました。この景色を見ながら食べるカップ麺の美味しさといったら・・。ちなみに、山小屋で500円(お湯付き)です。

富士山27

たまに鎖場もあります。こういう場所はストックを仕舞った方が登りやすいです。

富士山28

七合目の山小屋トモエ館に到着。

富士山29

遥か彼方に鳥居が見えますね。鳥居荘という山小屋で、今回宿泊する東洋館のひとつ前の山小屋となります。あと少し!!

富士山30

岩だらけの坂を登ったところで、鳥居荘に到着です。結構疲れました・・。

富士山31

既に標高2,900m。明らかに空気の薄さを感じる頃です。深呼吸しても何だか頭が痛い・・。まぁ、まだまだ耐えれる範囲ですが。

富士山32

ちょっと進むと、本日のお宿の東洋館に到着!時間は13時だったので、ここまで4時間かかってます。標準タイムより1時間近く遅いですが、お昼休憩などもとったので、亀ペースの自分達からすると思ったより早く着いた印象です。

富士山33

下を見ると、ここまで結構登ってきたなと感じます。

富士山34

こちらが東洋館の寝室。ここも個室タイプにしました(笑)隣が近すぎて個室という感覚はあまりなく、実際は半個室といったところでしょうか。お値段は二人で22,000円ぐらいでした。

そして、夕食まで時間が空いたので横になっていると恐れていた自体に・・。

頭が痛い・・。気持ち悪い・・。

横になったせいか、急激に高山病の症状が悪化しました。奥さんは平気そうだったので体質的なものなのでしょうか?私は高山病にかかりやすいみたいです。

しかも、時間が経つにつれてどんどん症状も悪化していきます。酸素スプレーを使ってもここでは全く効果がなく・・。吐き気もしてきました。身体も冷えてきて、寒さも感じるようになってきました。

そして、この体調で登るのはさすがに不可能ではないかと弱気になり始めます。前回は八合目で断念し、リベンジを誓って今回挑戦した結果が七合目でリタイアだと洒落にならんなぁ〜と思いつつも、現実的に考えるとこの体調では頂上までは無理かなと。

ただ、心が折れかかっていても、まだ試していないことがありました。

それは、

ドラッグ!!日本語でいうと薬(ヤク)

といっても、EVE(イブクイック)ですけど(笑)

正直頭痛薬には頼りなくありませんでした。というのも、根本的に治るというよりも、薬で痛みを感じなくなるだけなので、薬を使って無理して頂上まで登って、取り返しのつかない事態になるのが怖かったからです。

でも、今回は絶対に登りたい。背に腹はかえれません。

ついに決心し、薬を飲み、外の空気を吸い、酸素スプレーで何度も酸素補給をしていると、身体が熱くなり急に汗が吹き出してきました。さっきまで身体が冷えていたので、体調が戻ってきたみたいです。

さらに30分ほど時間が経つと、完全に復調しました!元気そのもの。治りすぎて怖いほどです(笑)

これで何とか登頂もできそうです。危なかった・・。

富士山35

夜ご飯は17時過ぎでした。13時前には宿に着いていたのでもっと早く食べたかったのですが、他の宿泊客が着いてからと言われてこの時間まで待つことに。

夜ご飯はハンバーグ定食でした。他の山小屋だとカレーがほとんどなので、ハンバーグが食べれるのは貴重です。

この他、次の日の朝ごはん(いなり寿司)も一緒に渡されました。

富士山36

就寝後、22時に起床!!13時に東洋館に着いたわりに寝付きが悪く睡眠時間はトータルで1〜2時間程度とひどいものでした・・。

このぐらいの時間に東洋館に到着する人もいるので、広間は賑やか。

もう一度イブを飲んで出発です。薬が効いているうちは体調も良い状態を保てました。

外に出ると、結構雨が降っていました。

雨でご来光が見れる可能性が低くなりましたが、自分がコントロールできることに集中することが大事です。夜明け前に頂上にいれるようにすることだけ。最善を尽くすのみです。結果として、ご来光が見れなくてもしょうがないと考えました。

富士山37

東洋館を出ると、岩だらけの鎖場でした。真っ暗なのでヘッドライトをつけますが、それでもとても危ない。しかも、あいにくの雨。

八合目で宿泊した方が安全に登れそうです。写真は危ない鎖場を登った後の太子館。

富士山38

太子館のすぐ後の蓬莱館です。前回の富士登山ではここに宿泊しました。寝る場所が寒かった記憶がありますが、アットホームな山小屋でした。

富士山39

ご来光目当てに出発する団体客の人たち。本八合目あたりからの混雑はすごかった。登山客が多すぎてなかなか進まないので、余裕をもったスケジュールをたてましょう。

富士山40

元祖室。

富士山41

八合目にもトモエ館はあります。

富士山42

御来光館。既に3,450m。この山小屋から頂上まで約300m!!いよいよです。

富士山43

写真ではわかりづらいですが、真っ黒な中、ヘッドライトをつけた登山客が行列を作っています。この灯りがとても美しい・・。雨が降っていたので、夜空の星があまり見えませんでしたが、天気が良ければ星とヘッドライトの灯りの組み合わせが素晴らしかったと思います。残念。

そして、ついに九合目。この辺りから頂上までが、富士登山で一番つらい場所でした。

凍えるような寒さ、これまでの疲れの累積、空気の薄さによる高山病、混雑によりマイペースに登れないこと、ご来光までの時間制限、ひらすら続く上り坂。

ふと空を見上げると、雲の隙間から月が見えました。少しずつ辺りが明るくなってきていました。

富士山44

そして、ついに頂上の鳥居に到着。ここまで長い道のりでした。

富士山45

時間は午前4時。心配だった天気も頂上に着く頃には回復していました。頑張って登ってきた甲斐がありましたね。

富士山46

固唾を呑んでご来光を待ちます。身体を動かしていないので、めちゃくちゃ寒いです。

富士山47

夜明けが近そうな雰囲気。

富士山52

そして、ついにきました!!

富士山53

念願だった富士山頂のご来光!ここまでが困難な道のりだっただけに感動です。

富士山54

太陽の暖かさを感じます。太陽がなければ人は生きてはいけません。

富士山55

富士山の山頂から見るご来光は神秘的でした。

ちなみに本日は奥さんの誕生日。一年の良いスタートとなったことでしょう。

富士山57

外国人の方が目を輝かせてカメラのシャッターをきっていたのが印象的でした。皆さんにも一度は見てもらいたい景色です。

富士山58

ご来光を見た後は、山頂をうろうろすることに。ただ、薬で身体がようやく持っている状態だっただけにお鉢巡りまでは考えませんでした。

富士山59

冷えた身体を温めるために山小屋へ。山頂にはご飯を食べれる場所がたくさんあるのが衝撃でした。日本一高いところでご苦労様です(その分値段も高いですが・・。)

富士山60

豚汁です。具を食べた後に写真を撮ったので、具なしに見えます(笑)当然、ものすごく美味しく感じました。東洋館で渡された「いなり寿司」もここで食べました。

富士山61

山頂は真冬並の寒さなので、すぐに下山開始。朝6時頃の出発です。霧がすごいですね。

富士山62

おや、少し霧が晴れてきました。

富士山63

遠くの方まで視界が開けます。

富士山65

雲海。

富士山66

非日常な光景です!

富士山67

こんなに高いところまでよく登ってこれたと自分を褒めてあげたい(笑)

富士山69

吉田口(富士スバルライン)以外の出口もあるので注意!

富士山70

岩と土。

富士山71

赤土もありました。

富士山72

壮大な景色に見とれそうですが、下山中は膝への大きな負担で、だんだんと余裕がなくなっていきます。膝がプルプルしてきます(笑)人によっては、膝への負担を少しでも和らげるために、ジグザク歩行をしたり、後ろ向きで歩いたり。

しかも、単調なつづら折りの道がひたすら続くので、精神的にもつらくなってきます。登りはワクワク感もありましたが、下山時はそれもなく。

正直登りよりも下山の方がつらいです・・。

富士山73

下山途中にある休憩所。ここまでくるのは本当に大変でした。単純に下山がつらかっただけでなく、頂上に着いてから薬を飲んでいなかったので、下山中に高山病が再発し、ギリギリまで耐えたものの結局耐え切れず、薬を飲んで途中で1時間近く横にならざるを得なかったなど。下山していけば標高も下がっていって酸素が濃くなるだろうと甘く考え、高山病を耐えようとしたのがまずかったです。無理せず薬に頼るべきでした。でも、薬はなるべく飲みたくなかったのです。

富士山74

単調なつづら折りを抜けた後、平坦な道が続きます。膝への負担はほとんどないですが、寝不足やらで結構しんどい・・。

富士山75

富士山登山は登りと下りで全然違うルートを行くことになります。その分岐点までようやく戻ってこれました。これから登る登山客とすれ違う度に、「ご愁傷様です。」という気持ちになります。

富士山76

あと少しのはずなのに、そのあと少しが長い・・。

富士山77

そして、ついにゴール!!結局下りに6時間ほどかかってしまいました(笑)

富士山78

そして、最初に宿泊したホテルの2階でコーヒーを飲んで休憩。達成感に酔いしれました(笑)

最後に

2度目の富士山登山でなんとか踏破できました。高山病や下山がつらかったので、もう2度と登りたくないという気持ちでいっぱいですが、こういう気持ちをまた忘れて何年後かにもう一度登ってそうで怖いです(笑)

ただ、日本一高い山の山頂から見えるご来光には特別な感動があります。一生に一度ぐらいは頑張って登ってみる価値は必ずあると思います。これから登る人の参考になれば幸いです!

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加