井ノ上陽一「フリーランスのための一生仕事に困らない本」

フリーランスのための一生仕事に困らない本

税理士として独立するにあたって、最も参考になった本がこの「フリーランスのための一生仕事に困らない本」です。税理士としての大先輩である井ノ上陽一氏が書いた本で、税理士で独立したい人だけでなく、フリーランスとして独立したい人であれば誰でも参考になる本だと思います。このブログで最初に紹介する本はこの本に決めていました。それでは、書評第一弾のスタートです!

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Contents

本の概要

私が税理士として独立することを心に決めて、独立準備を始めた頃のことです。

持っていたPCがかなり古くなっていたこともあり、独立を機に新しいPCを購入しようと考えました。色々と調べて、Windowsであれば「サーフェス」というタブレット型PCがクライアントへの持ち運びも便利かなと思い、これに決めかけていたのですが、どうしてもMacへの憧れがあり悩んでいました。

というのも、税理士業務で必須となる会計ソフトや税務ソフトは、Windowsにしか対応していない事が多く、Macを使っている税理士を聞いたことがなかったのです。

そこで、グーグル先生に「税理士 Mac」というキーワードで検索して出てきたのが、この本の著者の井ノ上陽一氏のブログ「EX-IT」のMacの記事でした(井ノ上陽一氏は月間60万ページビューを誇る人気ブロガーでもあります)。

井ノ上陽一氏は、独立している税理士でありながら、Macを使い、そして成功もしている方で、ブログを見て私もMacの購入に踏み切ることができました。

これをきっかけに井ノ上陽一氏を知り、今回の書評対象である「フリーランスのための一生仕事に困らない本」を購入することになったのです。

この本は、大きく分けて3つのパート付録に分かれています。

①:フリーランスとして生きていく方法(P18-87)

②:自分メディア戦略(P88-167)

③:フリーランスのお金の活かし方(P168-231)

付録:確定申告書の書き方(P232-249)

フリーランスとして生きていく上で必要となる知識を確定申告も含めてトータルサポートしており、「これからフリーランスになろうと思っている人」、もしくは「フリーランスになったばかりの人」が主な読者ターゲットになります。また、「フリーランスとして長年やっているけど、うまくいっていない人」もターゲットになるかもしれませんね。

では早速内容に入っていこうと思いますが、その前に、この本の帯のキャッチコピーが秀逸でしたので紹介したいと思います。

「来月、仕事がないな」にさようなら!

です。ジワジワ来ます。

主なポイントと感想

では、パートごとに私が特にタメになったと思うポイントとその感想をご紹介したいと思います。

フリーランスとして生きていく方法(P18-87)

このパートが本のメインとなるところです。フリーランスとして生きていくための方法が書かれています。

(P19)

大切なのは規模ではなく影響力

著者のこの本の最大のメッセージがこれではないでしょうか?

フリーランスとして大事なことは、やみくもに規模を大きくすることではなく、個人としての社会的影響力を拡大することではないか、と。影響力を拡大する手段としては、ブログ、メルマガ、執筆、セミナーなどいくらでもあると書かれています。

つまり、個人としてブログなどで有名となり社会的に認知されることで、営業が容易になったり、提供するサービスの単価が高くなったり、好きな仕事だけを選べたり、新しい分野の仕事が舞い込んだりするわけです。

例えば、嫌いな仕事や、単価の低い仕事を引き受けて規模だけ大きくなったとしても幸せになれないということですね。

私自身もこの考えに賛同している一人でして、必死にこのブログを書いているのは周知のとおりです。

(P34)

お金よりも時間のほうが大切!

お金は後からでも稼げますが、時間は稼げません。

これはものすごく大事な視点だと思います。人生は一度きりであり、時間が有限であるということを忘れている人が多いように感じます。お金は人生を楽しむ手段として重要ですが、嫌いなことをして人生の大部分を消費するのは避けたいところですね。

(P48)

強みを2つ以上かけ合わせる

フリーランスとして重要な戦略だと思います。強みが一つだけであれば、代わりはいくらでもいますが、2つ以上強みがある人はなかなか代わりがききません。

私が監査法人に勤めていた頃の話ですが、当然従業員はみんな公認会計士なわけです。公認会計士という資格だけで監査法人の中で差別化を図るのは難しいわけですが、これに「英語ができる」というスキルが加わると一気に重宝されるようになります。ちなみに、私は英語はできませんので誤解なきようお願いします。

また、私の税理士事務所は不動産投資専門で事業を行っていますが、これも自分が不動産投資を行っていることが強みだからです。ハイブリッド型税理士と勝手に名付けていますが、単に税理士というだけではなく、「税理士×起業家」で、かつそれらが同じ不動産投資という分野であれば差別化になると考えました。

(P66)

やりたくない仕事を書き出しておく

フリーランスを始めたばかりだと、生活費を稼ぐために、やりたくもない仕事も引き受けがちです。これはある意味しょうがないことではありますが、長期的な展望で物事を考えるのであれば避けた方がよいでしょうね。私も不動産投資専門税理士としてスタートさせたものの、不動産投資以外の業種のご紹介が多く、断るのにかなり躊躇しました。リソースも限られてますので、今ではそれで良かったと思っていますが。

自分メディア戦略(P88-167)

このパートでは、ブログやHPを自己発信するツールとして用いることについて書かれています。特に、ブログの始め方については詳細に書かれていますので、このパートを見ればあなたもブログを書きたくなるかもしれません!

(P91)

「自分メディア」は自分のことを知ってもらい、選んでもらうのが目的

ブログ、HP、メルマガなどを自己発信するためのメディア(自分メディア)として用います。ブログやHPで自分のことをよく知ってもらい、興味を持ってくれた人がクライアントになればビジネスが円滑に進むと書かれています。

「まずは成功者の真似をすることから始めろ」とよく言われますが、私も自分メディア戦略について真似させて頂いています。実際、このブログの一番最初に書いた記事は「自分メディア」を題材にしています。

自分メディア(オウンドメディア)を作る!ブログを書く5つの理由
「毎日同じような日々で退屈している。」「何か始めたいと思っているけど何を始めればいいのかわからない。」あなたが少しでもそう感じている...

フリーランスのお金の活かし方(P168-231)

このパートでは、フリーランスとして生きていく上で必要となるお金の知識と使い方について書かれています。フリーランスのお金周りの基本はここでおさえることができますので、フリーランスをこれから始める人に役に立つでしょう!

PCや会計ソフトなどフリーランスとして最初に必要となるものや、法人化についても書かれています。

付録:確定申告書の書き方(P232-249)

付録として、確定申告書の書き方が書かれています。ここで確定申告の概要を掴むことができます。

総評

フリーランス入門本として総合的に勉強になると思います。かく言う私自身も、この本に大きな影響を受けて、色々と真似しています。フリーランスで生きていくことは簡単ではないですが、この本を読んで、楽しく自由に働くという方向性があるのを知って欲しいと思います。

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